企業のお金の流れを管理する経理職は会社を経営するうえで欠かせない職種で、企業を支える縁の下の力持ち的な存在です。

数字に追われることが多い営業職とは違ってストレスが少なく、定時で帰りやすいというイメージがある経理職ですが、果たして本当なのでしょうか？また、宮城・仙台ではどんな企業が経理職を募集しているのかも気になるところです。

今回は経理職に転職したいと考えている方のために、経理関連職の仕事内容と年収事情、また宮城県で経理職を募集している代表的な企業を紹介します。

経理職の経験がある人も、これから経理職に就きたいと考えている人もぜひ参考にしてください。

1.経理関連職の年収・働き方事情

事務職の一種である経理職ですが、年収は一般事務と比べてどう変わるのか気になるところです。

労働時間の長さとあわせて紹介します。

経理職の年収は一般事務職よりも高め

マイナビエージェントの調査によると、経理職の平均年収は約440万円。

一般事務職の平均年収が約350万円であることを考慮すると、やや高めといえるでしょう。

ただし、このデータは正社員だけではなく契約社員や派遣社員も含んでいるため、正社員に限定すると、もう少し上がることが予想されます。

企業の規模や業績、男女比によっても異なりますが、一般事務よりも専門的な知識が求められる経理職は事務職の中でも比較的年収が高い職種です。

30代の経理職の平均年収は約500万円であり、20代平均の約380万円と比較すると100万円以上の差があることから、継続して勤めれば年収アップを期待できるかもしれません。

経理職の残業時間は少なめ

厚生労働省が行っている「勤労統計調査」には、職種別の残業時間の項目がありませんでした。

そのため経理職の明確な残業時間はわかりませんが、一般的には他職種よりも残業は少ないと考えられています。

残業時間が少ないから、営業職と比較して年収が低いという見方もできます。年収よりも安定した働き方を求めている人に、経理職は合っているといえるでしょう。

もちろん待遇は企業によって異なるため、転職活動時は募集要項にしっかりと目を通すようにしてください。

経理職を探すなら宮城県が狙い目

2018年の「賃金構造基本統計調査」によると東北6県は全国平均と比べると平均年収が低く、岩手・秋田・山形・青森はいずれも、都道府県別ランキング40位以下です。

せっかく経理のスキルがあっても、待遇の良い企業に巡り合えなければ年収が下がってしまうかもしれません。

しかし、宮城県だけは東北で唯一全国平均年収を上回っていて、高収入を期待できるエリアと言えます。

知名度の高い企業が多く、大手企業への転職も夢ではありません。さまざまな企業が集中していることから、選択肢が豊富です。

2.経理関連職を募集している企業

宮城県で現在経理関連職を募集している、代表的な5つの企業を紹介します。

カメイ

カメイは、明治36年に創業された老舗企業で、上場も果たしています。

現在はエネルギー事業や食糧事業、住宅関連事業や自動車関連事業など、幅広く展開しているのが特徴です。
経理だけではなく人事や労務、総務など管理系総合職を募集しています。

公式URL：https://www.kamei.co.jp/

やまや

やまやは東北を中心に関東や中部、関西に店舗を出店している酒類専門店です。

現在、仙台本社で経理職を募集しています。上場企業であるため、安定した収入を期待できるでしょう。

公式URL：https://www.yamaya.jp/index.html

株式会社ワイヤードビーンズ

ワイヤードビーンズは、企業のECサイトの構築を始めとするデジタルコマースの支援をメインとした「デジタルソリューション事業」と、職人と共に製品を生み出す「ものづくり事業」を展開している会社です。

管理部・総務担当として経理を募集しています。

公式URL：https://www.wiredbeans.co.jp/index.html

ヒューレックス株式会社

ヒューレックスは、仙台に本社を構える人材紹介会社で、東京・名古屋・大阪・福岡・沖縄にも拠点を持っています。

ヒューレックスでは、経理業務を中心に総務、労務等、グループ会社も含めて幅広い業務を任せられる人材を募集しています。

公式URL：http://www.toyotahome-t.jp/

山大

山大は、宮城県で県産材を使用し、木材などの住宅資材販売と木材加工を事業としている上場企業です。

注文住宅の設計や施工も請け負っています。現在は営業職やCADオペレーターとともに経理事務職も募集をしています。

公式URL：http://www.yamadai.com/housing/center.html

3.未経験で経理に転職できる？

経理職の転職求人情報を見ていると、「経験者優遇」の文字が目立ちます。

専門知識を求められる経理職において、実務経験や資格がある人が優位であることはまず間違いありません。

しかし、求人のなかには未経験者OKの企業も存在します。特に昨今の人手不足にあって、あまり選り好みしてはいられないという声もあるようです。

ただし、たとえ採用されても、まったく経理の知識がなければ、業務についていけず、苦労をしてしまうかもしれません。スムーズなスタートを切れるように、経理職関連の資格を取得したり、勉強を始めたりすることをおすすめします。

経理関連の職種と仕事内容

経理職と言っても、一般的な経理と会計や財務職では微妙に仕事内容が異なります。
それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

経理

最も人数が多いとされる経理職の仕事は、会社のお金の流れを数値化して管理することです。

経理の業務は日次・月次・年次業務の3サイクルに大別されます。

• 日次業務……伝票整理や経費精算、税金の計算、現金出納管理など、日常的に行う業務。
• 月次業務……給与計算や取引先への請求書発行や支払い、入金確認や予算実績業務など、月に1回～複数回程度行う業務。
• 年次業務……決算整理や税務申告、賞与計算・振込、年末調整など年に1回～複数回行う業務。

会計

会計は経理の仕事の一部ですが、お金の出入りを記録することが多い経理業務に対して、会計は資産の管理を中心に行います。

会社の財産の変動状況や金銭収支の報告は、会計業務の主な仕事です。中小企業の場合は、経理職と会計職を兼ねている場合がほとんどです。

財務職

経理や会計は基本的に使ってしまったお金を管理することが仕事ですが、財務はこれから使用する「未来のお金」の管理を行うのが主な仕事です。

銀行との融資交渉をはじめとする資金調達や投資、資産運用は財務の仕事といえます。また、決算書や事業計画書をもとに資産運用を計画することも財務の主要な仕事です。

賃借対照表や損益計算書を理解することはもちろん、金融に関する豊富な知識が求められるのが財務職の特徴です。

4：持っていると転職有利な資格

転職の際に、前職の経験や実績は大きなプラス要素ですが、経験が浅かったり実績が少なくても持っている資格次第では転職に有利なる場合もあります。

簿記検定（3級以上）

お金の流れを学べる簿記検定は、経理にとって欠かせない資格です。

社会人の受験者数が多い日商簿記検定は3～1級までありますが、履歴書に書くためにはできれば2級、最低でも3級は持っておきたいところです。

3級を取れば小規模の企業や商店の経理を理解できるようになります。2級はさらに企業の経営状態や財務状況を勉強できます。1級を取れば経営分析ができるようになるでしょう。

MOS（マイクロオフィススペシャリスト）

Excelを使用することが多い経理職では、Microsoft Office製品の操作スキルを問われるMOSの資格を取得しておくと便利です。

特に中小企業はExcelを多用していることが多く、知識が備わっていると即戦力として期待されます。

ちょっとした操作キーやショートカットキーを知っておくだけでも、仕事が格段にはかどります。

スペシャリストとエキスパートの2つにレベルが分かれていますが、後者を取得しておくと、よりスキルの高さをアピールできるでしょう。

ファイナンシャルプランナー

総合的な資金計画を立てて収支や負債、資産などの経済的なデータを分析し、目標を実現に導く資格がファイナンシャルプランナーです。

ファイナンシャルプランナーにはCEPやAEP、そしてFP技能士の3つがありますが、FP技能士を取得する人が大多数を占めています。

簿記やMOSのように勉強内容が業務に直結するわけではありませんが、資産相談業務ができるようになるため、財務職を目指す人におすすめの資格です。

5.まとめ

経理関連職は前職の経験を大いに活かすことができるため、経験者であれば採用される確率が高まります。

しかし、必ずしも経験者でなければ経理職に就けないというわけではありません。銀行や保険会社から異業種の経理職に転職を成功させた人もたくさんいます。

経理職はほぼすべての業種で求められる職種であり、転職先によって待遇や雇用条件が大きく変わってくるでしょう。成功すれば大きくキャリアアップしますが、失敗してキャリアダウンしてしまう可能性も否定できません。

経理職への転職を希望している方は、そんなリスクを避けるために転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。

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