転職ノウハウ・コラム | 2024.02.19 Mon

依頼退職とは?その意味や自己都合退職・会社都合退職との違いについてわかりやすく解説

退職にはさまざまな種類がありますが、その中に「依願退職」という退職方法があります。

実は「依願退職」は最も身近な退職方法ですが、その正しい意味はあまり知られていないというのが実情です。

そこで今回は、「依願退職」の基礎知識に加え、退職金やボーナス、失業保険、有給休暇の扱いについて、そして他の退職方法を解説します。特に転職や退職を考えている方は、「依願退職」について押さえておきましょう。

1.依願退職とは

退職通知。 - 退職 ストックフォトと画像

依願退職とは、従業員からの「退職したい」という申し出に企業側が合意することで成立する退職方法です。

転職や結婚などによる退職も実は、依願退職にあたります。

依願退職については法的な決まりはなく、企業は社員から退職願を提出してもらい、その後は自社の就業規則に従って退職手続きを進めます。

2.「自己都合退職」と「会社都合退職」との違い

日本語で辞表を持つ人の手 - 退職 ストックフォトと画像

退職には、「自己都合退職」と「会社都合退職」の2種類あります。

社員から退職を申し出た場合は「自己都合退職」、企業側から退職を促した場合は「会社都合退職」となります。つまり、依願退職は「自己都合退職」に分類されます。

3.依頼退職のメリット

「メリット」アルファベットキューブ - メリット ストックフォトと画像

従業員が自発的に退職する際には、良い理由でも悪い理由でも、共通して「現在の会社よりもより良い環境に移れる」という点が挙げられます。

そのため、自発的な退職の利点は、従業員が自身のキャリアやプライベートを充実させられるということです。一部の人々は、退職が転職に悪影響を及ぼすのではないかと心配するかもしれません。しかし、その心配は無用です。自己都合で退職する場合、転職理由は「一身上の都合」のみで問題ありません。

転職回数が極端に多かったり、会社に在籍していた期間が極端に短かったりしなければ、退職理由について深く問われることはありません。現状の働き方に満足していない場合は、自発的な退職をしてより良い選択肢を探すことも考えてみる価値があります。

4.依頼退職のデメリット

ビジネス上の利点の調査 - デメリット ストックフォトと画像

転職活動では、なぜ依願退職したのかについて詳しく問われることはあまりありません

ただし、転職回数が多かったり、前の会社に在籍していた期間が短かったりすると、新しい企業から「またすぐに辞めてしまうのではないか」と疑われることがあります。

依願退職の理由がキャリアアップのような前向きなものである場合は、その意図を伝えることが重要です。しかし、依願退職は「従業員の都合で退職する」という扱いになるため、失業手当や退職金などの待遇面では、会社都合の退職と比べて不利な面もあります。

5.依頼退職の退職金やボーナス、失業保険、有給休暇はどうなるのか?

ライフイベントのピクトグラムとビジネスマンの手が日本円マークの木のブロックを拾う - 退職 ストックフォトと画像

依願退職をする場合、退職金やボーナス、失業保険はもらえるのでしょうか。

  • 退職金は通常通りもらえる
  • 失業保険は「次の仕事が見つかるまで」受け取れる
  • 有給休暇は取得できる

ここでは、依願退職をする場合、退職金やボーナス、失業保険がどうなるかについて解説していきます。

退職金は通常通りもらえる

退職金制度がある会社であれば、依願退職をする場合も退職金がもらえます。

退職金が支給される条件や金額の算出方法は企業毎に違いますが、依願退職でも通常の自己都合退職と変わらない金額が支給されます。

ちなみに自己都合退職よりも会社都合退職の方が退職金は多くなる傾向にあります。
ボーナス支給日よりも前に依願退職する場合は、もらえないと考えたほうが良いでしょう。

一般的に、ボーナスには以下3つの意味合いがあります。

  1. 過去の労働への対価
  2. 業績の分配
  3. 今後の貢献への期待

これから依願退職する場合でも①と②は当てはまりますが、③には該当しないからです。

このような背景から、ボーナスが支給されてから退職するという方が多い傾向にあります。

失業保険は「次の仕事が見つかるまで」受け取れる

失業保険は、離職した人が再就職するまでの生活を支える制度なので、依願退職でも転職先が決まっていない方は受け取れます。

会社に失業保険の支給日を確認し、ハローワークで求職手続きをしましょう。

有給休暇は取得できる

有給休暇は、労働基準法で以下のように定められています。

労働基準法 第39条

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

引用:労働基準法|e-Gov法令検索

つまり、6ヶ月間継続して勤務していて、8割以上出勤していれば依願退職でも有給を取得できます。

有給休暇の買い上げ制度は原則、違法とされていますが退職日までに有給を取得しきれなかった場合は例外的に認められています。

ただ、有給休暇の買い上げよりも、退職日から逆算して有給休暇を使うケースが一般的です。

6.依頼退職は企業に拒否されることもある?

腕を組む青年 - スーツ ストックフォトと画像

企業に退職の申し出を拒否されるケースもありますが、民法第627条では退職を申し出た日から2週間後には雇用契約が終了できると定められているため、退職さえてもらえないということありません。

第627条

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

引用:労働基準法|e-Gov法令検索

企業の合意がないままに雇用契約が終了した場合、「依願退職」ではなく「辞職」になりますが特にデメリットはありません。

7.依頼退職の注意点とは

辞表を持つビジネスマン - 退職 ストックフォトと画像

依頼退職の注意点を紹介します。

  • 提出する書類に気をつける
  • 退職勧奨に応じられる場合は応じる

順に紹介します。

提出する書類に気をつける

依頼退職の際は「退職願」と「退職届」の2つの書類が必要になります。

依頼退職をする際は、まず退職の数ヶ月前には「退職願」を作成し、上司に手渡ししなければなりません。会社によっては口頭でも問題ない場合もあるので、事前に確認しておきましょう。また、退職することを伝える場合は少なくとも1ヶ月前には伝えておくのが一般的ですが、こちらも会社によって異なることもあるため、会社の規則に従うことが重要です。

退職願が承認されたら、貸家に退職届を提出してください。会社独自のフォーマットがある場合や、人事宛に提出する必要がある場合もあるため、こちらも会社の規定に従いましょう。また、依頼退職の場合は辞表は必要ないので、混同しないように気をつけてください。

退職勧奨に応じられる場合は応じる

まず、退職勧奨とは会社が退職してほしい従業員に対して、自主退職を促すことです。会社から従業員に退職してほしいことを伝え、従業員が同意することで決まります。そのため、従業員の意向に問わず退職を迫られる解雇とは異なります。

退職勧奨は、依頼退職と同様「会社と従業員の同意で成立」しますが、退職勧奨は従業員の意向に問わず退職が促されるため、依頼退職ではなく会社都合退職として扱えます。退職勧奨について会社と話し合いをする際は、理由や退職金について明確にしておくことが重要です。

また、その際は第三者からも確認できるように、退職勧奨を促す理由やその後の手当などについて書類に残すようにしましょう。退職後の手当を受け取るためにも、依頼退職として処理されていないように気をつける必要があります。

8.依願退職の4つの手順

ビジネスマンは、退職または転職のための仕事の概念を変更し、辞任するためにオフィスの机によって辞表と辞表のための箱を保持します - 退職 ストックフォトと画像

実際に依願退職をする場合、どのような手順が必要なのでしょうか。

一般的な依願退職の流れは下記のとおりです。

  1. 退職を申し出る
  2. 退職日を決める
  3. 退職願を提出する
  4. 引き継ぎを行う

それぞれについて詳しく説明していきます。

①退職を申し出る

まずは、会社に退職を申し出ましょう。
直属の上司や人事に退職を申し出るのが一般的ですが、会社の就業規則やルールを確認してまず誰に伝えれば良いか確認してから伝えるのがベストです。

②退職日を決める

退職の申し出に対し企業から合意が得られたら、退職日をいつにするか話し合う必要があります

現在任されている仕事の兼ね合いや引き継ぎにかかる期間などを考慮して決めます。

会社の就業規則に記載されている内容を参考にすると良いでしょう。
「退職日の1ヶ月前には申し出ること」と記載されているケースが多いです。

③退職願を提出する

退職日が決まったら「退職願」を会社に提出します。

提出日は就業規則に「退職日の1ヶ月前までに提出」というような記載があるはずなので確認しましょう。

もし記載がない場合は、会社に直接確認してください。
基本的には、できるだけ早めに提出するのがマナーです。

また、退職理由は「一身上の都合」と記載するのが一般的で、具体的な内容を記載する必要はありません。

退職願と退職届の違いについて

退職願は、会社もしくは経営者に「退職の意思」を示します。あくまで提出段階では退職を願い出ているという状況なので、会社の合意を得るまでは撤回もできます

退職届は、会社の可否を問わず受け取られた時点で退職が決まる書類です。民法に則った形式ではありますが、一方的に退職を突きつけるため退職願よりも効力強い書類です。会社へあまり良い印象を与えない書類なので、円満退社をしたい方にはおすすめできません。

また、退職届は一度受け取られてしまったら撤回はできません。

④引き継ぎを行う

退職願を提出したら、引き継ぎを行います。
引き継ぎの資料やマニュアル作成、業務の進捗状況などの共有を行いましょう。

通常業務に影響が出ないよう毎日少しずつ進めるのがポイントです。

⑤必要書類の受け取りと会社の備品や借りていた物を返す

退職時に必要な書類は以下のとおりです。

  • 雇用保険被保険者証(企業が保管している場合)
  • 年金手帳(企業が保管している場合)
  • 源泉徴収票など

退職日に受け取るのか、後日郵送になるのか確認しておきましょう。

また、あとあとトラブルにならないように健康保険証や会社の備品、会社経費で購入した本などを事前にリストアップし、相違がないか確認してもらった上で返却するようにしましょう。

9.依願退職と論旨解雇、懲戒免職の違いとは

机の上の辞表。日本語で「辞表」と書かれた白い封筒。 - 退職 ストックフォトと画像

退職にもさまざまな種類があります。大きく自己都合退職と会社都合退職に区別され、以下のように分けられます。

【自己都合退職】

依願退職 退職の申し出に企業が合意して成立する退職方法
自主退職 従業員自身から申し出て退職する方法
辞職 企業からの承諾の可否を問わず、従業員の意思のみで行われる退職方法
論旨退職 懲戒解雇や論旨解雇に該当する規則違反をした従業員への酌量措置として自己都合退職として行われる退職方法
論旨解雇 論旨解雇本来であれば懲戒解雇になるような規則違反をした従業員に対して行う解雇
懲戒解雇 会社の秩序を大きく見出した従業員へのペナルティとして行われる解雇
懲戒免職(公務員のみ) 懲戒解雇にあたる国家公務員法や地方公務員法に規定されている懲罰

【会社都合退職】

希望退職 企業が従業員に対し退職を募る退職方法
整理解雇 企業の人員削減を目的に行われる解雇

「自主退職」は依願退職と同じ

自主退職は、従業員自身から申し出て退職する際に使われる言葉で、一般的に依願退職と同じ意味で使われます。

「辞職」は一方的に行う退職方法

辞職は、企業からの承諾の可否を問わず、従業員の意思のみで行われる退職方法です。

依願退職同様に自己都合退職に分類されますが、辞職は企業と従業員双方の合意ありません。

また、撤回できないという点も依願退職とは異なります。

「論旨退職」は酌量措置としての退職方法

論旨退職は、懲戒解雇や論旨解雇に該当する規則違反をした従業員への酌量措置として自己都合退職として行われる退職方法です。

「論旨解雇」は懲戒解雇より処分が軽い解雇

論旨解雇は、本来であれば懲戒解雇になるような規則違反をした従業員に対して行う解雇です。

懲戒解雇に比べて処分が軽いのが論旨解雇の特徴で、一般的に自己都合退職い分類されるケースが多いです。

「懲戒解雇」はペナルティとして行われる最も処分が重い解雇

懲戒解雇は、社内の規則やルールを破り会社の秩序を大きく見出した従業員へのペナルティとして行われる解雇で、会社からのペナルティとしては最も重い処分です。

公務員の場合は懲戒免職と呼びます。

「希望退職」は退職者を募る退職方法

希望退職は、企業が従業員に対し退職を募る退職方法で、リストラや整理解雇の前に実施されるのが一般的です。

従業員の意思が最優先される退職なので、企業は退職を強制できません。

会社の呼びかけに対する退職方法なので、会社都合退職に分類されます。

「整理解雇」は人員削減のために行われる解雇

整理解雇は、企業の人員削減を目的に行われる解雇です。

従業員の意思や仕事の評価、素行などは関係なく、企業の一存によって決定されるため、会社都合退職に分類されます。

10.まとめ

歩くビジネスマンの革靴 - スーツ ストックフォトと画像

依願退職は、従業員の「退職したい」という申し出に企業が合意することで成立する退職方法です。

依願退職をする際は、会社の就業規則などを確認し、退職金、ボーナス、有給休暇、失業保険がどうなるかについても確認しておきましょう。

また、依願退職をする流れや、受け取るもの返却する物を確認し、円満に退職できるよう努めることが重要です。

転職エージェントを利用すると、退職時・転職時のアドバイスをコンサルタントから無料で受けられます。

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