転職ノウハウ・コラム | 2021.05.25 Tue

転職回数が多いと不利になる!?日本特有の企業文化に迫る

この記事を書いた人

コンサルタント

須賀川 敏哉

大手証券会社、総合人材サービス会社を経て転職支援会社へ。人材業界で17年以上のキャリアを持つプロフェッショナル。幅広い職種・年齢に対応できるのが強みで、東北で数多くの転職成功実績を築いている。趣味はテニス、ドライブ。

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転職時に企業が必ず確認するポイント、それが転職回数とその転職の理由です。
欧米では転職回数は評価基準に含まれない傾向にありますが、日本ではまだまだ1社に勤めあげるのを良しとする風土が根強く残っています。
それでは転職回数が多いと、基本的にすべてのケースにおいて不利になってしまうのでしょうか?

今回の記事では、企業の考え方の傾向を分析して、転職回数が多くても希望を見出す方法について考察していきます。

 1.転職回数がその後の転職に影響する理由

転職回数が多いとなぜその後の転職に影響してくるのでしょうか。
採用担当者の本音を交えながら、その理由について考察していきます。

 日本社会では転職回数の多さはマイナスに捉えられる傾向にある

出典:リクナビNEXT  https://next.rikunabi.com/01/tensyokureki/tensyokureki_01.html

1、2回までならさほどマイナス評価する企業は少なく、まだまだ新しい戦場でキャリアを築くチャンスは残っていると言えます。

しかし3回目あたりから気にされはじめ、マイナス評価になります。
特に20代でのキャリア形成期に短期間で複数回転職を繰り返しているのは大きなマイナスとなる傾向で、その後の転職がかなり厳しくなるでしょう。

東北エリアでは、転職回数を気にする企業が多く、4回を超えてくると転職エージェントでも紹介できる企業の数がかなり絞られます。
いたずらに転職を繰り返すことは、自分の首を絞めることになることを知っておきましょう。

人事担当者にすぐにやめてしまう人材だと思われる

転職回数が多い応募者が採用担当者に懸念される理由として、やはり自社でも同じようにすぐに辞めてしまうのではないかと思われる点が挙げられます。

人事担当者は、採用した人材がすぐに辞めてしまうと査定にも響くので、すぐに辞めそうな人材を安易に採用できないという企業側の事情もあります。

つまり、採用後の定着率を気にしているため、転職回数が多いと不利になるというわけです。

すぐに辞められると採用・教育コストが無駄になる

企業はたとえキャリアを評価しての中途採用であっても、採用や教育には大きな時間とコストがかかってきます。
採用後に教育が完了していざ現場へ、といった人材があっさりと辞めてしまうと、企業側にとっては大きな損失です。

一般的に3年未満での退職は、投資したコストを回収できないとも言われています。
給与、採用コスト、研修費用、ボーナスと計算してゆくと、企業によって異なりますが1,000万円~1,500万円近くの損失になることもあるそうです。

3年間その人材が一切売上に貢献しないといったことは無いでしょうが、基本的に回収が難しく、新たな人材の採用教育コストも含めて考えると大幅な損失といえます。

2.転職回数が多くてもチャンスはあるかどうか

転職回数が多いと一般的にどんどん不利になっていくのが日本社会です。昔ほどではありませんがその傾向は相変わらず残っているといえるでしょう。
では、転職回数が多いとチャンスはもう無いのでしょうか。統計情報を見ながら考察してきます。

転職が複数回ある応募者の採用実績は85%の企業が「ある」と解答!

出典:リクナビNEXT  https://next.rikunabi.com/01/tensyokureki/tensyokureki_01.html

さまざまな企業のデータが入り混じった統計情報ですので、どの企業でも当てはまるとは一概には言えませんが、多くの企業で転職歴が2回以上ある応募者を採用した実績があることが分かります。

大手や古い体質の企業ではまだまだ難しい傾向はいまだ続いていますが、外資系企業やベンチャー企業、中小零細企業等では転職回数が複数回あっても比較的受け入れられやすい傾向にあるようです。

また、近年の人材不足の影響を受け転職回数について寛容になっている企業もあるのかもしれません。

どのような経歴を辿ってきたかにもよりますが、転職回数が多くても、チャンスが全くないということはないので、プラスに考えて転職活動をすることをおすすめします。

プラスに評価される「退職理由」もある

出典:リクナビNEXT  https://next.rikunabi.com/01/tensyokureki/tensyokureki_01.html

面接時に必ず採用担当者が確認する項目が、退職理由です。退職したすべての企業について問われると思っておいた方が良いでしょう。

転職回数は基本的にネガティブに評価される項目ですが、退職理由によってはプラスに評価される場合も少なからずあります。

特にポジティブな印象を与えられるのが「仕事のやりがいやキャリアアップ、スキルアップ」といった理由です。

企業は良い人材を手放したくないですし、自社でもキャリアアップを理由に辞められると懸念される可能性もありますが、今回は腰を据えて働きたいという志望動機などと組み合わせると効果的な訴求になることもあります。

あまりにも回数が多いとやっぱり不利

出典:リクナビNEXT  https://next.rikunabi.com/01/tensyokureki/tensyokureki_01.html

転職回数が複数回あってもチャンスは確かにありますが、企業の採用実績を見てみるとやはりあまりに回数が多いと採用率は極端に落ちていることがわかります。

特に、6回を超えると上記のデータでもわかるとおり、かなり採用実績が少なくなってきています。無為に転職を繰り返さないことが重要です。

また、回数だけでなく1カ所に在籍した期間や、年齢などによっても評価は変わってきます。若年時の転職回数の多さは特にチェックされますので、心得ておきましょう。

 3.転職回数が多い人でも転職を成功させるコツ

転職回数が多くても、転職を成功させている人は多く存在します。一般的に不利と言われているからこそ、一層工夫して転職活動に臨むことが重要となってきます。

転職を成功させるコツについてまとめたので、参考にしてみて下さい。

転職回数が多いことが逆にプラスにならないか考える

転職回数が多くても、ITという一貫したキャリアを辿ってきた場合、プログラマーからシステムエンジニアにステップアップするために転職したなどであれば、マイナスイメージにならずに逆に成長するために転職をしてきたことが伝わります。
上記は一例ですが、自分のキャリアを見つめ直し、プラスのPRに繋がる要素がないか考えてみましょう。

ポジティブな転職理由を明確に説明できるように準備する

面接時に必ず聞かれるのが、転職理由です。実際には待遇や人間関係が悪かった等の理由が多いかと思われますが、それをそのまま採用担当者に伝えても同情はしてくれるかもしれませんが、プラスに評価されることはまずありません。

キャリアアップやスキルアップなどのポジティブな転職理由を、明確に説明してマイナスイメージを払しょくできるようにするのが理想です。

転職回数にこだわらないベンチャー系企業や外資系企業を狙う

昔ながらの日本企業や古い体質の会社は、転職歴の多さを敬遠する傾向が根強く残っています。

業種にもよりますが、新興ベンチャーや外資系の会社は転職回数をさほど気にせず、能力やポテンシャルを重視して採用することもありますので、チャンスの幅は広がるでしょう。
転職回数が多くでなかなか転職先が決まらないのなら、こういった企業を狙ってみるのも1つの手です。

職務経歴書の書き方を工夫する

転職時に必須の職務経歴書。転職回数が多いからこそ、他の方よりも少しでも読まれやすく、また魅力的に映るように工夫しなければなりません。
以下で詳しく紹介してるので、参考にしてみて下さい。

1.2枚の用紙に要点を整理してまとめる

転職を繰り返すと職務経歴書のボリュームは多くなります。
ボリューム多い職務経歴書は評価されると思われがちですが、読まれなければ意味がありません。

転職歴が多いからこそ、A4用紙1~2枚に簡潔に要点をまとめましょう。

PRできるポイントを具体的に書く

転職を繰り返してきた方の履歴書は、マイナスイメージにつながる表記がどうしても多くなり、自分のPRポイントが埋もれてしまいがちです。
しっかり自分の価値であったり魅力であったりを具体的に記載して、積極的にPRしましょう。

プラスのイメージの表記がマイナスイメージの表記よりも多くなるようにするのがポイントです。

一貫性がある点をPRする

履歴書でよくチェックされるポイントは、転職歴が多い少ないにかかわらず一貫性があるかどうかです。

例え異業種の転職を繰り返していたとしても、意識してきたことや取り組んできたことで、自分のキャリアの中で何かしら一貫したものがあるはずです。

一貫性があるとまだ評価されやすい傾向にありますので、意識してPRしましょう。

転職は多いが着実に成長してきたことをPRする

転職を繰り返してきた方は、スキルの積み重ね等の成長が十分にできていないイメージを抱かれがちです。転職歴が多くても、自分はしっかりと学んで成長してきており、無為に転職を繰り返してきたわけではないことを採用担当者に伝えましょう。
マイナスイメージの払しょくにもなります。

入社後に提供できる価値や貢献できることを具体的に伝える

転職回数が多いのならなおさら、自分が入社することによって会社にどのように貢献できるのか、またどのような価値を提供できるのかを具体的にPRすることが重要です。採用する価値のある人材であるということを採用担当者に感じてもらいましょう。

面接対策を十分に行う

これまで述べてきた内容でもあるのですが、必ず聞かれる転職理由を乗り切る方法や、転職歴が多くてもマイナスの印象を与えずにPRする方法はぶっつけ本番ではなかなかできません。しっかり練習してから面接に臨む方が良い結果が期待できます。

4.転職エージェントに相談して戦略を練るのも良い方法

転職回数が一般的に不利だと言われていますが、必ずしも転職回数が多いからと言って転職できないわけではありません。

しかしそれなりに考えて行動しないと、しっかり対策をしても苦戦することが多いという事実は否めません。まずは転職のプロである転職エージェントに相談してみましょう。
豊富な実例と実績からアドバイスを受けられるので、自分では及ばなかった点まで対策できるでしょう。

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須賀川 敏哉

大手証券会社、総合人材サービス会社を経て転職支援会社へ。人材業界で17年以上のキャリアを持つプロフェッショナル。幅広い職種・年齢に対応できるのが強みで、東北で数多くの転職成功実績を築いている。趣味はテニス、ドライブ。

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