履歴書・職務経歴書 | 2024.03.31 Sun

履歴書・職務経歴書で役職はどう書けば良い?例文や書くときのポイントを紹介

この記事を書いた人

コンサルタント

大西 理

医療系商社で基幹病院を担当し、医師や経営・管理部門、各メーカーとの関係構築に努める。東北に貢献したいと考え、地元の人材紹介業へキャリアチェンジ。日夜、転職希望者と企業の最高の出会いを追及している。趣味はボルダリングとダーツ。

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履歴書と職務経歴書は、自分がこれまで受けてきた教育や、経験してきた職務の内容を採用担当者に伝えるための書類です。

採用担当者や企業へ自分をアピールするための手段でもあるため、わかりやすい書き方であることが望ましいです。

とはいえ、転職経験がない、役職についたことがない人はどのように記載すればいいか分からないことでしょう。

本記事では、履歴書・職務経歴書のなかでも特に「役職」にフォーカスし、職歴欄での役職の書き方の例文を踏まえながら解説しています。

転職を検討している方はぜひ参考にしてください

履歴書に役職は必要?

役職は、企業における役割や立ち位置を表す呼び名です。

企業によって役職の名称はさまざまですが、一般的には部長や課長、係長といった日本語表記で記載します。

それでは、履歴書・職務経歴書にこれまで経験した役職を記入する必要はあるのでしょうか。

ここでは以下の観点から、職務経歴書に役職を記入するメリットや、役職の記載が有利になるケースを詳しく見ていきます。

  • 役職は必須ではない
  • 役職経験は管理職採用に有利
  • 職歴欄の書き方

順に紹介します。

役職は必須ではない

履歴書の職歴欄や職務経歴書に役職を記載するかどうかについては、明確なルールがないため、必須ではありません。

しかし、役職を記載することによって、以下のメリットがあります。

  • 自己アピールの強化
  • 他の転職希望者との差別化

ポテンシャルを見極める新卒採用とは異なり、中途採用で重視されるのは既往の業務経験や能力です。

そのため、役職を記載できる場合はできるだけ詳細に記載した方が望ましいと言えるでしょう。

役職経験は管理職採用に有利

役職経験は転職時の強みとなり、特に管理職やマネジメント職の採用時に有利に働きます。

管理職の採用では、応募条件にマネジメント経験が設定されることが多く、これまでの役職経験が重視されるのです。

こうした職務への転職を希望している場合は特に、役職経験の記入に力を入れる必要があります。

役職はその人物の力量を測る物差しになるため、企業の中で責任のある仕事を経験してきたというアピールができるはずです。

また、中途採用では自分と同じような世代や業務内容を経験してきた人と競うことになるため、役職という強みがあることで差別化できます。

このように役職の記載は転職希望者にとって多くのメリットをもたらすため、記載した方が選考を有利に進められるはずです。

職歴欄の書き方

職歴欄の書き方のポイントとして、以下が挙げられます。

  1. 記入する内容
  2. 注意点

順番に見ていきましょう。

(1)記入する内容

職歴欄に記入する内容は、以下の項目が一般的です。

  • 会社名(事業内容、従業員数、資本金なども併せて書きます)
  • 入社および退職の年月日
  • 部署名(業務内容も)
  • 役職名(昇進、昇格について)

採用担当者が一目で理解できるように、わかりやすく書くことが大切です。

(2)注意点

職歴欄に記入する会社名は必ず正式名称で記入しましょう。

(株)や(有)などと省略するのはNGです。

会社名と入社・退職を書くだけではアピールにはならないので、部署名や業務内容、役職名までしっかり記入しましょう。

また、記載する役職も会社から正式に与えられたものが望ましいです。「プロダクトマネージャー」のような、職務内容を表す名称はできるだけ避けましょう。

職歴の詳細は職務経歴書に書くようにし、履歴書では概要程度にとどめつつ、なるべく空欄を残さず最後まで文章を埋めてください。

最後に「以上」と添えて終了です。

【例文付き】職歴欄の「役職」の書き方

履歴書の職歴欄に「役職」を書く場合、必要最低限の情報だけを書くようにしましょう。

(例)

学歴・職歴
2018 3 〇〇大学法学部法律学科 卒業
職歴
2018 4 株式会社△△ 入社
2022 6 □□事業部〇〇課 主任に昇進・昇格
現在に至る

なお、昇進と昇格の違いは以下の通りです。

昇進:現在の職位よりも高い職位に就くこと

昇格:企業の職能等級制度における等級が上がること

つまり、昇進とは役職の変更のことで、昇格とは等級の上昇に伴う給与アップのことです。

そのため、役職が課長から部長に変わる際には昇進であっても、等級が上がらず昇格には至らないケースもあります。

反対に、等級が上がって昇格しても、役職はそのままで昇進しないケースも珍しくないです。

また、役職経験がない場合に「一般社員」と記入する必要はありません。

配属された部署名や配属された年月のみを記載するようにしてください。

記載できる役職一覧

最近の日本企業では、ゼネラルマネージャーやエグゼクティブプロデューサーなど、一見ではどのような立ち位置にいるのかがわかりづらい役職名が増えてきています。

このように一般的ではない役職の場合、以下のようにカッコ書きで「主任に準ずる役職」などと補足説明を加えましょう。

学歴・職歴
2020 6 営業部 エグゼクティブプロデューサー(主任に準ずる役職)に昇進
2022 6 営業部 ゼネラルマネージャー(課長に準ずる役職)に昇進

次の章では、日本企業で一般的に使用される役職名とその英語表記を以下の順に沿って記載しましたので参考にしてください。

  • 役職(1)<取締役・重役>
  • 役職(2)<一般>
  • 役職(3)<その他>

役職(1)<取締役・重役>

会社役員や幹部などの役職名とその英語表記です。

役職名 英語表記
(取締役)会長 Chairman/Chairperson
相談役/顧問 Senior Adviser, Executive Adviser
代表取締役 Representative Director
(代表取締役)社長 President
副社長 Executive Vice President,
Senior Vice President
Executive Managing Director
Senior Managing Director
専務(取締役)

常務(取締役)

Executive Director,
Managing Director
執行役員 Executive Officer
Corporate Officer
監查役 Auditor
最高経営責任者

最高業務執行責任者

CEO (Chief Executive Officer)
COO(Chief Operating Officer)
最高財務責任者 CFO(Chief Financial Officer)

なお、会社法で定義されている役員は「取締役」「会計参与」「監査役」の3つです。会社法上では、執行役員は役員とはなりません。

役職(2)<一般>

次に、一般社員や会社役員以外の役職名とその英語表記です。

役職名 英語表記
本部長 General Manager
Chief of Headquarters
事業部長 General Manager
Division director
部長 General Manager
Manager
Director
Head of Department
部長代理(補佐) Assistant Manager
次長 Assistant General Manager
Deputy General Manager
課長 Section Chief
Section Head
課長代理(補佐) Deputy Manager
Assistant Section Chief
係長 Section Chief
Section Head
Chief Clerk, Group Leader
主任/チーフ Supervisor
Chief
Senior Staff Member
室長 Chief
Head of a division
General Manager

上記の役職がない場合は一般社員となります。その場合は「営業部」「経営企画部」といった部署のアピールをすると良いでしょう。

役職(3)<その他>

最後に、外部のポストや特定の業界、団体における役職名とその英語表記です。

役職名 英語表記
理事長 Board Chairman
理事 Commissioner
Executive Board Members
Administration Officer
支社長 General Manager
Vice President
支店長/所長 Branch Manager
Store Manager
Office Manager
工場長 Factory Director
Factory Manager
Plant Manager
参与 Counselor
Consultant
参事 Secretary
Escritoire
Adviser
Manager
主査 Project General Manager
Senior Staff
主幹 Chief Editor
Managing Editor

銀行や工場など支店を抱える業種では、上記のような役職を付与される場合があります。

役職をアピールしたい場合には職務経歴書がおすすめ!書き方を紹介

ここからは、具体的な職務経歴書の書き方をご紹介します。

まずは例文をみていきましょう。

【例文】

2018年4月から6か月間連続で売上目標を達成した実績が評価され、営業部1課の課長から部長に昇進しました。

また、それと同時に2018年の社長賞も受賞しました。

社長賞は、年間を通じて最も会社に貢献した社員1名に贈られる名誉ある賞です。

部長職では直属の部下を 20名抱える立場となり、主に若手の育成や教育に力を入れました。

その結果、売上目標達成記録を更新するとともに、翌年の社長賞を課内最年少の部下が受賞しました。

職務経歴書の書き方として、次の3つのポイントが挙げられます。

  • 「役職」を説明する
  • 部下の人数を書いてマネジメント力をアピール
  • 実績・成果をアピール

それぞれ詳しくみていきましょう。

(1)「役職」を説明する

職務経歴書では、役職名だけではなくその役職に就いた経緯を説明します。

また、役職名からは職務内容が分かりにくい場合には、役職の説明も交えるようにしてください。

企業から正式に辞令を受け取った役職がなければ、期間限定の役割でも構わないので、具体的な業務経験を説明するのがおすすめです。

(2)部下の人数を書いてマネジメント力をアピール

部下の人数は、マネジメント力を測るひとつの指標です。

そのため、職務経歴書では部下の人数や、マネジメントに取り組む上で力を入れた点をアピールするようにしてください。

(3)実績・成果をアピール

社会人経験に乏しい、あるいは役職や何らかの役割を与えられた経験がない場合は、売上や賞の受賞履歴といった実績・成果をアピールしましょう。

例えば、営業部の営業成績向上に貢献した経歴や、社内で推薦されて電話応対コンクールなどの競技会に出場した経験が挙げられます。

また、過去の実績や成果をアピールする際には、数字や具体的な指標を盛り込むのがおすすめです。

履歴書・職務経歴書を送る際には相手の役職に気を付けよう

ここまでは履歴書と職務経歴書への役職の記載について説明してきました。

では、これらの書類を郵送あるいはメールで送る場合には相手の役職をどのように表記すべきでしょうか。

また、そもそも宛名には相手の役職を含める必要があるのかについて、役職の持つ意味合いを踏まえて解説します。

役職は「様」と同じ扱いをする

ビジネスシーンにおいては、役職は「様」「御中」と組み合わせるのが正しい敬称とされます。

社外の人物に向けた宛名の場合、「〇〇課長」ではなく「課長 〇〇様」のように、「役職名+様」という形式で記入してください。

【履歴書・職務経歴書の宛名記入例】

〇〇株式会社

総務部人事課

採用担当課長 佐藤 様

また、封筒や葉書に「〇〇行」と記載されている場合は二重線で消し、隣に「御中」と書き直しましょう。

履歴書・職務経歴書の役職に関するよくある質問

ここからは、履歴書・職務経歴書の役職に関するよくある質問を紹介します。

  • 役職がない場合何も書かない方が良いの?
  • 昇進して役職名が変わった際の職務経歴書の書き方はある?

それぞれ詳しくみていきましょう。

役職がない場合何も書かない方が良いの?

役職がない場合は何も書かなくて問題ありません。

役職がない場合は、業務内容や社内で正式に受けた賞などを具体的に記載しましょう。

各会社ごとに、企業の規模や売り上げなども異なるため、具体的な数字を記入することが望ましいです。

詳しくは役職をアピールしたい場合には職務経歴書がおすすめ!書き方を紹介を参考にしてください。

昇進して役職名が変わった際の職務経歴書の書き方はある?

昇進して役職名が変わった場合は、以下のように職務履歴に記載しましょう。

学歴・職歴
2020 4 株式会社××に入社 営業部に配属 〇〇業務に従事
2022 4 営業部 営業課長に昇進 神奈川支店にて〇〇に従事
2023 6 営業部 営業部長に昇進 関東地区にて〇〇に従事

昇進した経歴や昇進したことでどのような仕事を任されるようになったのかなど、具体的に記載することがおすすめです。

履歴書・職務経歴書で自身の魅力をしっかりアピール!

応募書類を作成する上で大切なのは、“まずは、読んでもらえる内容にすること”です。

多忙な採用担当者の目にとまる魅力的な要素がなければ、一生懸命作成した書類であっても最後まで読んでもらえません。

採用担当者が知りたいのは、あなたがこれまでどのようなスキルや経験を積んできたのかです。

経験した「役職」はすべて書き、実績・成果をしっかりと採用担当者にアピールするよう心がけましょう。

応募書類の作成に自信が持てない方は、転職エージェントを使ってみる、という選択肢もあります。

履歴書、職務経歴書の添削だけではなく、書類通過、面接対策など、転職に役立つアドバイスをしてくれるのでおすすめです。

転職がはじめてという方は、プロからのアドバイスを受けることで、安心して転職活動を進めることが出来るので、転職エージェントに登録してみるのもおすすめします。

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